所沢市エアコン住民投票の結果をミスリードするマスゴミ

2月15日、航空自衛隊入間基地に近い小中学校へのエアコン設置を求め、埼玉県所沢市住民投票が投開票された。エアコン賛成5万7千票、反対3万票、投票率は32%だった。よって、住民投票は「エアコン賛成派の惨敗」という結果になった。

あれ?、賛成票の方が多いのに負けはおかしいでしょ?、と思われる方もいるだろう。実は、所沢市住民投票条例においては、投票で多数派になるだけでは勝利条件を満たさない。所沢市における住民投票の勝利条件は次の2点だ。

1.投票で多数派になること
2.多数派の票数が有権者数の1/3以上であること


エアコン賛成派は、条件1をクリアしたが条件2はクリア出来なかった。所沢市有権者はおよそ27万人だ。賛成派が勝利するには、9万票以上集めて多数派になる必要があった。そもそも、投票率32%の時点で敗北は確定していたわけだ。

「エアコン推進派の敗北」、これが住民投票の結果であり現実であり事実である。賛成票が反対票を上回っても、それは所沢市における住民投票の本質とは関係無い。

この住民投票では大きな教訓が示されたと思う。教訓とは、「市民あっての住民投票」ということだ。エアコン推進派には悪いが、この問題は多くの市民にとってはどうでもよくて、つまり元々住民投票には馴染まない問題だったわけだ。

馴染まない問題なのに強行した結果、有権者の7割が投票せず、住民投票は事実上の不成立となり、エアコン推進派の敗北という結果だけが残った。推進派の努力、かかった費用(税金)などは全て無駄になった。やらない方がマシだった。

さて、このことについて不可解な報道が目につく。どういうわけか、負けたはずのエアコン推進派が勝者かの様に扱われ、「市長は推進派の勝利を重く受け止めよ」などと報じられているのだ。

共同通信は推進派市民(共同代表の一人)の声を伝え、彼は「市長は誠意を見せよ(=エアコンを設置せよ)」と述べていた。また、東京新聞は社説で「エアコンが必要だ。埼玉県所沢市で実施された住民投票はそう結論を下した」とはっきり書いている。

明らかにミスリードだ。所沢市民は「エアコン設置に賛成しない」と判断した。「誠意を見せろ」とか「エアコンは必要」とか、負けたくせに何を言っているのかと。

他にも、賛成派の得票数が藤本市長の市長選での得票数より多かったことを挙げて、「そらみろ、エアコン推進派の大勝利だ!」といった報道が多数見られた。アホかと。無関係の数字を比較したところで、それは如何なる結論も生み出さない。

本件はさして難しい話ではない。しごく単純明快だ。それなのに、どうして多くのマスコミが事実に反する報道を垂れ流すのか。推進派の気持ちを汲むのは自由だが、住民投票の結果をねじ曲げては偏向報道捏造報道の誹りを免れまい。

問題の発端が原発絡みだけに、他にも色々と言いたいことはあるが、せめて住民投票の結果くらいは正確に報道してくれないものか。
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確かにおかしな報道だ!

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スリードとは、このように行われるんだね

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