夏目漱石「余は支那人や朝鮮人に生れなくつて、善かつたと思つた」

「歴遊の際もう一つ感じた事は、余は幸にして日本人に生れたと云ふ自覚を得た事である。内地に跼(きょく)蹐(せき)してゐる間は、日本人程(ほど)憐(あわ)れな国民は世界中にたんとあるまいといふ考に始終圧迫されてならなかつたが、満洲から朝鮮へ渡つて、わが同胞が文明事業の各方面に活躍して大いに優越者となつてゐる状態を目撃して、日本人も甚だ頼(たの)母(も)しい人種だとの印象を深く頭の中に刻みつけられた 同時に、余は支那人朝鮮人に生れなくつて、まあ善かつたと思つた。彼等を眼前に置いて勝者の意気込を以て事に当るわが同胞は、真に運命の寵(ちょう)児(じ)と云はねばならぬ」
(※原文の旧字体新字体に変更し、ふりがなは一部にとどめた)

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新渡戸稲造も「朝鮮亡国論」を書いている。当時世界を見聞きし、翻って朝鮮と中国を見た日本人たちはみんな同じ事考えたんだぞ
「この火薬庫をなんとかしないと日本も危ない」ってな。

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