スイスが悪の枢軸

東西冷戦時代には盛んに書かれたスパイ小説では、悪の組織はなぜか隠し金をスイス銀行に預けていた。というのも、ここでは番号だけで登録する秘密口座が認められていて、預金者は名前を明かさなくても済むから。現実の話でも、ナチスの財産が保管されているだとか、麻薬密売組織の金はいったんここに集められるとか、どこかの大統領が秘密口座を作っているとかいう怪しげな話に必ず登場するのがスイス銀行
ところが「スイス銀行」なる銀行は存在せず、そこだけが特別に秘密口座を扱っているというものも無い。スイスに本拠があり、預金または信託業務を行う1700ほどの銀行すべてが、秘密口座を扱う事が出来る。国立銀行はスイス・ナショナルバンク、民間はスイスバンク・コーポレーション、ユニオンバンク、クレディースイスなどが有名。
実はスイスの銀行はスイスの法律で守秘義務が定められていて、警察や税務署からの問い合わせに対しても秘密を漏らす事はない。そこで、ナンバーアカウントという身分証明さえ出来れば外国人でも作れる秘密口座に、世界中から人気が集中したわけ。単なる秘密口座なら香港やシンガポールでもあるが、スイスは機密漏洩に対して厳しい罰則があるから安心なのだ。
それでもあまりに犯罪がらみの問題が起こるので、この制度を見直そうという動きが出た事もある。だが、世界中からお金が集まるこの制度、スイス国民にとっては歓迎で、結局国民投票でも約三倍の差で現状維持になっている。
 
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マネーロンダリングのスイス」なんだ~
 
永世中立国のスイスが、とんでもないマフィア支援国家だったとはお笑いじゃない。