外人は来ない保安院・東電の会見

誰もいない席に向かって、説明する日本政府の異様さ。

原子力保安員も役人も、官邸の支持で動いているのだから。

これから、情報を一元化するということは、全て官邸が判断していることだ。

総理大臣が、ご助言されたので・・なんて言い訳するのに。


その上に、福島では自分だけ生きることを批判するような生き地獄。

まさに修羅場である。

津波で死ぬもつらいが、残されて生きる方もつらい。

生かされているが、決して、自ら生きようとするなという縛り。

この縛りが、外国からはいたく評価されたのだが・・

物事には表裏一体。

いい時には、すごいパワーとなるのだが、それは悪い方にもパワーとなる。

いい方だけ取ることはできないのだろう。

出る杭は叩かれる日本社会。

自分だけ生きようとしていると非難される社会。


自衛隊に助けられた福島の人が、「お手数をおかけします。ありがとうございます。」と
言い、大変な時にも礼儀を忘れない日本人として絶賛されていたが・・
この人は、マスクをしている人を見ると・・
「自分だけ助かろうとしている」と非難するのだろうか・・

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外人は来ない保安院・東電の会見

外国の記者を相手にした保安院と東電の会見には、最近、記者1人、説明側10人ということが続いたが、4月25日、ついに誰も記者は来なかった。

無人の記者席に向かって、「誰もいないのに」説明をするという非人間的なことをする保安院の役人の姿が印象的だった。


海外では福島原発の事故についての関心は強い.関心が強いので、保安院や東電の記者会見に出ても、ウソを教えられるので、聞いても意味が無いのだ。


日本人として哀しい。

日本人の記者会見は相変わらず盛況だ. 事実と違うことを聞いても政府の言うことなら「黒も白」なのだろう。

・・・・・・


ところで、時々、日本社会には「悪魔の言葉」が出てくるが、


「自分だけ生きようとは思わない」


という驚くべき言葉が福島(中通り付近)ではやっているらしい。そしてマスクをしたりして放射線に対して防御している人に、


「あいつは自分だけ生きようとしている」


と非難すると言う.



今の福島の中通りの状態が「放射線が強く、生きるのが難しい」と思うなら、防御したり、避難したりするべきで、自分で危ないと思っているのに、子供を道連れにするというのはどういうことだろうか?


なぜ、中通りの人が防御しないのか、少し理解できたような気がするが、自爆するなら自分だけがして欲しい。

「あいつは自分だけ」というところが、残酷で感心しない言葉である.



平成23年4月26日 午前11時 執筆)





武田邦彦