沖縄県民は、沖縄本島への野心むき出しに気付かないのは何故?

 中国の習近平国家主席による米国訪問は、歴史的大失敗に終わった。米国内に歓迎ムードはなく、オバマ米大統領との首脳会談もほぼ平行線で終わったのだ。背景には、軍事的覇権を強める中国の姿勢に加えて、米国が入手したサイバー攻撃の決定的証拠をはじめとする中国共産党の機密情報があったという。崖っぷちに立たされた習氏。ジャーナリストの加賀孝英氏による緊急リポート。

 「習氏の訪米目的は、米中の『新型大国関係』を世界にアピールして、『人権無視、軍事力で領土拡大に走る無法国家』のイメージを払拭することだった。ところが、中国のイメージはかえって悪くなった」

 外務省関係者はこう断言した。

 今回の訪米が「大失敗」「成果ゼロ」だったことは、ホワイトハウスで25日に行われた米中首脳会談後の共同記者会見で一目瞭然だ。オバマ氏と習氏は最後まで憮然(ぶぜん)とした表情で、笑顔はなかった。同時期に訪米したローマ法王フランシスコとは天地の差だ。前代未聞、米中決裂の決定的シーンだ。

 首脳会談の中身もひどかった。

 オバマ氏が再三、中国のサイバー攻撃を批判して中止を求めても、習氏は「中国も被害者だ」とシラを切った。国際法を無視した南シナ海の複数の岩礁の軍事基地化にも「昔から中国の領土だ」と開き直った。さらにチベットウイグルでの弾圧など、世界が糾弾する人権問題についても「各国の事情」と強弁し、米国側を憤慨させたという。


そして、サイバー問題では、米中双方が企業秘密を盗まないことを確認し、閣僚級の対話メカニズムを創設することで合意した。実は、これが最大のポイントだ。

 旧知の米国情報当局関係者は次のように指摘する。

 「習氏はサイバー攻撃を否定してきたが、合意は事実上、認めたと受け取れるものだ。習氏は追い詰められていた。ただ認めたことがバレたら、習氏の政治生命は危ない。この事実を隠すため、習氏は米国にケンカを売る態度に出た。虚勢だ。事実を隠して『中国の外交勝利』と見せるためだ」

 さらに、米国情報当局関係者は「われわれは中国がサイバー攻撃を仕掛けて、米国の膨大な機密情報を盗んでいたことを示す決定的証拠を持っている」と語った。

 その決定的証拠の詳細は後述するが、米国が中国のサイバー攻撃に向けた怒りはすさまじい。以下、米政府関係者の話だ。

 「中国のサイバー攻撃で、米国は年間数十億ドル(数千億円)以上もの被害を受けている。米国が習氏に冷たいのも当たり前だ。米大統領選に共和党から名乗りを上げた不動産王、ドナルド・トランプ氏の対中批判もあり、『オバマ氏は甘過ぎる。経済制裁しろ』という声が吹き出している」

 「米司法省は昨年5月、原子炉関連情報を盗んだ犯人として中国人民解放軍サイバー攻撃部隊の将校5人を起訴した。今年7月、米政府人事管理局から2150万件の個人情報が盗まれた米国史上最大のハッカー事件もそうだ。米国は泥棒国家を許さない。中国は逃げられない」


 オバマ氏はかつて中国に「融和策」を取っていた。米国が強硬姿勢に転じた裏には1人の中国人がいる。前出の米国情報当局関係者は「元新華社通信記者の令完成氏の存在が大きい」という。

 令完成氏とは習氏の政敵、胡錦濤国家主席の最側近で、昨年12月に失脚した令計画・前党中央統一戦線部長の実弟である。令計画氏は中国共産党の機密情報を管理し、「もしもの事態」に備え、公表すれば習政権が吹っ飛ぶ極秘資料を実弟に託していた。そして昨年6月、令完成氏は米国に逃亡した。持ち出された極秘資料は約2700点。

 米国情報当局関係者が続けた衝撃情報はこうだ。

 「その極秘資料の中に決定的証拠があった。これは超ド級の爆弾だ。習氏は訪米を成功させるためにも、令完成氏を捕まえ、口を封じようと、多数の要員を米国に送り込む『キツネ狩り』を実行していた。だが無理だと分かり、身柄の引き渡しを米国に懇願していた。習氏の態度は表と裏では真逆だ」

 安倍晋三首相に申し上げたい。中国は南シナ海同様、東シナ海にあるわが国固有の領土、尖閣諸島沖縄本島への野心をむき出しにしている。歴史問題では韓国同様、平然とウソをつく。今回の訪米の失敗を機に日本攻撃を強める懸念がある。同盟国・米国と連携し、万全の体制を作っていただきたい。