「悪貨は良貨を駆逐する」スポーツ界

要するに、プロ組織のレベルと待遇を維持するには「少数精鋭方式」しかない。そういう主張を説明したのであった。
悪貨は良貨を駆逐する
の言葉通り、裾野を広げようとしていたずらに裾野を広げ門戸を広げすぎると必ず悪貨が紛れ込み、結果として一番最上級の良貨を追い出す結果になる。

これが専門職の特徴なのである。

看護師に限らず、医師、大学教授、国会議員、教師、もちろん、サッカー選手や野球選手にも通用する。

翻って、小柄な日本人選手がやっているプロ野球がどうして世界ランク1位2位を維持できているか?

というと、少数精鋭方式を堅固に守って来たからである。

甲子園に出場するチームは47チーム。しかしながら、そこからプロ野球に進める者は一握りの強者である。だから、日本のプロ野球が世界トップレベルを維持できる。


方やプロサッカーのJリーグの場合はどうか?

というと、下部組織のJリーグユースから、高校サッカー選手権から、非常にたくさんの選手がいったんはプロに入れる。この結果、選手が各チーム内でだぶつく。

我々の時代の40年前は、ユース代表に選ばれた25人〜23人程度の中からしか実業団に入れなかった。あとはアマチュアチームで仕事の合間の余暇としてサッカーをする他は無かった。そういう時代だった。

しかしながら、逆にトップレベルはアマチュアとはいえ、かなりのレベルに達することができたわけである。だから、メキシコオリンピックで3位まで行けた。当時の釜本選手のもも周りは67cmほどあり、女性のウェストより太いことが話題になったほどである。今時こんなに太い選手はいない。


JリーグがJ1、J2、J3で計53チームもあるとなると、もはや各チームに「悪貨」ばかりとなる。せいぜい2〜3人がトップレベルで後はアマチュアレベル。そんなチームばかりになる。

なぜなら、人口減少で少子高齢化の日本にあって、サッカー選手にだけ優秀な若者が集まるという甘い状況ではないからだ。中国のように13億5千万人もいれば別だが、その1/10の人口の国で、何人もの釜本が生まれるはずがない。

だから、我が国の人口では、野球、サッカー、ラグビー、柔道、剣道、バレー、バスケット、水泳、体操などなどで分散すれば、各カテゴリーでそれほど偉大な才能をもった若者が出て来るはずがないのである。

ましてや野球にもっとも運動神経の良い若者をとられてしまうのだから、サッカーに良い人材が集まるとは思えない。サッカーと野球は昔から競合してきたのである。


サッカーの状況は相撲の状況と似ている。

相撲にも良い人材が来ない。大柄の運動神経の良い若者は、バレーやバスケットに行ってしまう。ましてや野球の大谷選手のような若者が相撲に入らない限り、日本人が横綱になれることはあり得ない。

モンゴルからオリンピックのレスリング金メダルレベルになれる才能を持った白鵬などの人材が大相撲に入門して来る。そんな時代に、日本では他のスポーツで通用しない若者、単にデブというだけの若者が相撲取りになろうとする。これでは序の口レベルで終わる。

サッカーもこれと同じ。陸上短距離や長距離でオリンピックに出られるほどの逸材が欧米ではサッカー選手を目指している。そんな時代に、我が国では、ちょっとおケイコごとの延長でJユースジュニアに入った選手が日本代表になっている。もちろん、宇佐見のことだが、こういう感じでは世界レベルでは勝ち目がない。

もともと肉体的に生物遺伝的に体力がないものが、小技がうまいというだけでプロになったわけだから、90分間自然に走り回れるというようなバイタルのエネルギーがない。

女子の猶本選手もパスしたら歩いているし、男子の中盤の選手のほとんどがパスしては一休み、走るのがいやだからバックパスして休憩中。そんなプレーしかしない。

より一部引用
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