英皇太子の手紙公開、政治介入

イギリスのチャールズ皇太子が首相や閣僚にあてて出した秘密の手紙が公開されました。イラク戦争などに関するものもあり、政治に介入していたと批判が出ています。

 13日に公開された27通の手紙のうちの1通。「親愛なる首相へ」と書かれたこの手紙は、チャールズ皇太子が当時の首相ブレア氏に宛てたものです。字が読みにくいことから、イギリスのメディアは「黒い蜘蛛」「ブラック・スパイダー・メモ」と評しています。

 この手紙の中でチャールズ皇太子は、イラク戦争を戦うイギリス軍が予算の制約のため十分な装備を与えられていないことに苦言を呈しています。また、別の手紙では、アナグマが家畜の間に結核を広げているとして、駆除すべきだと主張したり、鍼やハーブを使った代替医療の促進を求めたりと、テーマは多岐にわたっています。

 イギリス政府は手紙を秘密にしようとしていましたが、「ガーディアン」紙が10年間の法廷闘争の末に手紙の公開を実現させました。

 イギリスでは王室は政治から中立的であるべきとされているため、地元メディアが皇太子を「ロビイスト」と評するなど、批判が出ています。

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