演説台の使用料だけで約2千ドル(約21万円)を要求されたという

【外信コラム】日米とばっちり… 中国資本のNYホテル買収の波紋
米ニューヨークの高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」が中国資本に売却されることになった。ホテルは国連本部から歩いて10分の場所にあり、セキュリティーもしっかりしているため、米政府が42階に国連大使公邸を置いてきた。だが、中国側による盗聴の恐れもあるとして、引っ越しせざるを得ない状況となっている。

 毎年9月の国連総会の際、米政府はホテルの2つのフロアを借り切り、報道陣にブリーフィングなどを行うため、筆者も館内の様子は多少知っている。見事な装飾が施された壁に盗聴器が仕掛けられたら、と考えただけで薄気味悪くなる。

 国連総会時に安倍晋三首相の宿泊先としてホテルを利用した日本政府も利用中止を検討している。ただ、新しいホテルを見つけるのは容易ではない。各国首脳がニューヨークに押し寄せるこの時期は、ホテルが顧客の足元を見て多額の利用料を請求するからだ。

 外務省筋によれば、
安倍首相の記者会見場をあるホテルで借りようとした際、
演説台の使用料だけで約2千ドル(約21万円)を要求されたという。また、「日本側がホテル側と打ち合わせる際、相手は平然と遅刻した」(同筋)とか。中国資本によるホテル買収で、日米両国はとんでもないとばっちりを受けたと言っていい。(黒沢潤)
 
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