米国に押し寄せる中国人 米国籍求め、出産ツアー、亡命ビジネス

米国に押し寄せる中国人 米国籍求め、出産ツアー、亡命ビジネス
2013.06.10
 
 中国の習近平国家主席(59)とバラク・オバマ米大統領(51)の2日にわたる初会談が8日、終了した。両政府が相互依存を強める中、民間の関係も複雑化している。いびつな独裁国家の将来に対する不安を持つ中国人富裕層は、自由の国、米国での生活という“保険”を、あの手この手で求め続けている。

■空き家に「ホテル」

 住民が異変に気付いたのは昨年8月だった。臨月になろうという中国人妊婦が突然、連れだって閑静な住宅街を毎日散歩するようになった。米西部ロサンゼルス近郊チノヒルズ。空き家だった豪邸が、いつの間にか中国人専用の“妊婦ホテル”に違法改築されていた。

 周囲を見晴らす小高い丘の頂上に建てられ、7部屋の寝室があった一軒家。その家を購入した中国人が、内部をバス・トイレ付きの個室17室にリフォーム。中国から訪米した妊婦を、多い時には30人も住まわせていた。

 だが、シャワーやトイレなどで大量の水を使用したため、下水管から汚水があふれ出し、丘を下って道路に流れ出す事態に。丘の中腹に住むテリー・ディルマンさん(60)は「とにかくひどい臭いがした。大勢の妊婦が何をしているのかも分からないし、不気味だった」と憤った。

 妊婦の目的は子供の米国籍取得だ。中国と比べ、チャンスに満ちた自由の国。米国は「出生地主義」のため、外国人でも米国内で出産すれば新生児に米国籍が与えられ、さらに子供が21歳に達すれば、両親も米国の永住権を得ることができるのだ。

■ビザ発給緩和で追い風

 「簡単に米国パスポートが取れます」「米国籍なら子供の可能性は大幅に広がります」。インターネットでは米国出産ツアーを募集する中国語のウェブサイトが無数にあり、魅惑的な言葉が躍る。入国審査で見つからないよう「ゆったりした服を着て行きましょう」といったアドバイスも。

 予定日の2カ月前に観光査証(ビザ)で訪米し、出産後1カ月で帰国する。費用は1万5000~2万ドル(約150万~200万円)。往復の航空券、宿泊費、食費、出産費用が含まれる。昨年2月に北京の米国大使館がビザ発給制限の緩和を始め、発給数が急増したことも追い風になっている。

 この“妊婦ホテル”は住民からの通報で当局の立ち入り検査を受け、昨年末に閉鎖された。それでも周辺には新たに別の部屋が準備され、ツアーは活況だ。34歳の中国人妊婦は「米国の最高の医療を受けるために来ただけ。何も悪いことはしていない」と強調。妊婦は今も米国に押し寄せている。(共同)
 
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中国の貧しい人が、アメリカンドリームを夢見て行くのじゃなくて
富裕層が子供のためにアメリカ国籍を取りたいと思うとは
 
語るに落ちた、じゃないの?