大飯原発の再稼働について、現場で起きていた本当のこと。

大飯原発の再稼働について、現場で起きていた本当のこと。

2012-07-01 21:40:34 | 震災から原発にまつわること
大飯原発の再稼働への直接抗議活動に行ってきました。


書きたい思いがありすぎて まとめられるか不安だけど これだけは書いておかなきゃいけないと思うので 書いてみます。今日は推敲なし。雑文のまま行こうと思います。


大飯原発に向かう一本道にバリケード封鎖が出来たのが6月30日(土)の午後3時。

7月1日(日)午後9時から始まるとされる原子炉の制御棒の引き抜き。

再稼働に向けた作業を進める作業員の通行を止め、バリケードを作り大飯原発の再稼働を直接的に阻止しようというのが狙い。



僕が駆け付けたのは午後6時。

遠くから見たらこんな感じ。
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すでにバリケードの前には警官が列をなしていて、バリケードを守る仲間たちの中に入ることが出来ない。
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すでにそこで活動している仲間たちの助けを借りて、力ずくで無理やり警官の列を突破。

ここで頑張ってる仲間たちにとっては、そんなことお茶の子さいさいな様子だったけど

僕は恥ずかしいけど、警官のガードをこじ開けてバリケードの中にいる仲間の所に行く、ただそれだけのことがめちゃめちゃ怖かった。


警察に逆らっていいいの?おれ。
これ捕まっちゃわない?


そんな思いが立ち込めた。だけど仲間たちの励ましもあったし、こんな所でいきなり二の足踏んでるわけにもいかないので 列をこじ開けて正面突破をした。


警察は突破中こそ体を掴んだりしてきたけど、こちらも警察に手を出さなかったし、中に入ってしまえば彼らもそれ以上は追ってこなかった。

やっぱり警察にもここを守る決定的な根拠はないんだ。



バリケードの中に入ったら、そこは音楽と笑いに満ちつつも、緊張感と使命感に満ちた何ともウェットな空間だった。
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鳴り止まない「再稼働反対」コール。ジャンベ、鳴り物。

一目見て理解した。


「ここにいる人たちは、皆まだ諦めてない」


「再稼働はまだ止められる」一人一人が本気でそう信じている目をしていたし、その場にいる限り、それは真実のように思えた。


僕は東京で首相官邸前抗議に10万人集まっても、再稼働は止まらないだろうと思っていた。

今回わざわざ往復12時間、費用3万円を費やして、ここまでやってきたのも「再稼働は止められなくても、最後まで声を上げたという自己満足を得たい」という、そんな消極的な理由からだった。


だけど、ここに来て現場を見て一瞬で変わった。


確かに再稼働は止められる。


ここに集まっている人たちの多くは、髭もじゃもじゃ髪ぼさぼさの一昔風に括って表現してしまえばヒッピー的な雰囲気を持った人たちだ。


茂木さんが「カラフルな服を来た若者」と表現するように、一般社会的な価値観から見ると非常識な人間で、とっても悪い言い方をしてしまえば社会不適合という烙印を押されてしまうような、そんな人たちだけど、そんな人たちが今日本人の中で一番未来のことを考えている。


そんな仲間たちと一緒に再稼働反対コールをする。小雨が降っている。


現場では、東京で安穏として暮らしている人間には思いもつかないような発想やアイデアが次々に飛び出し来る。


突然アカペラでラップをする若者。
とりとめもなく喋りつづける若者。


覚えていないので紹介出来ないのがとても残念だけど、それこそ知的好奇心をそそられる言葉が次々と出てきた。


そんな中で仲間の一人がこういった。



「僕たちはもう原発やめたんです。」



この発想なんだ。この人たちの原動力は。



原発やめて」じゃなくて『原発やめた』。



そのたった一文字の違いがとんでもないパワーを生む。



夜8時45分前後、アピールを続けていたら、警官の列がいなくなった。


バリケードの中と外に分かれていた仲間が一つになる。その数、300人程度。
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ここでしばしの安定状態。このままバリケードを守り続ければ再稼働は止められる。


行動は長期戦だ。

作業は翌日7月1日(日)の夜9時から始まると言われている。再稼働を撤回するまで抗議活動は続く。


体力温存も大事なので、各自、仮眠を取ったり車で休憩をしたりする。


バリケード内の人数が100人程に減った夜23時。福井県警が機動隊を寄越してきた。


向こうも戦略なので人数が減った時を当然狙ってくる。

「機動隊来たぞー」の掛け声に合わせて、仲間たちは機動隊の方へ走って行った。
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僕は立ちすくんで後ろでこそこそ写真を撮っていた。


正直めちゃめちゃビビってた。


夜の暗闇に機動隊。それに立ち向かう?むりむりむりむり。


近くにいた元彼女に激似の女の子が「私車に行くね」と行って戻っていった。

僕は「そうした方がいいね」なんて言いながら、自分も安全な所に行きたかった。


戻る勇気も突っ込む勇気もないまま、バリケードの中という中途半端な位置で「再稼働反対」と叫ぶしかなかった。


一瞬小競り合いが起きそうだったが、何とかバリケードから5、60mの所で機動隊を食い止めた。
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車に戻ると言っていなくなった女の子が戻ってきて、マイクで「再稼働反対」と叫んでいる。

続く