米から国の基準を上回る
放射性物質が検出された
福島県伊達市で、土壌汚染や被ばくへの懸念から耕作できなかった農家に対し、市農業委員会が田畑を
耕作放棄地と扱う通知を出した。「農地として適切に利用されていない」として耕すよう指導。一月中旬に通知を受けた同市の小野寛さん(51)は「耕すと
放射性物質が土に混ざる」と困惑している。 (中崎裕)
各
自治体の農業委員会は
農地法に基づき、年に一度、
耕作放棄地を調査。最初の指導通知が届いた時点で
耕作放棄地扱いとなり、所有者は原則的に新たな農地取得ができなくなる。同市農業委は今回、二百件ほどの指導通知を出した。
小野さんは二千平方メートルの田畑で米と小麦を栽培。主に自家用だが、一部を販売している。米は、秋から育てた
ライ麦を刈り倒して雑草などを抑える独自の
有機栽培をしてきた。
昨年三月の
原発事故で、田畑は毎時三
マイクロシーベルトと高い線量が検出された。単純計算で年間二〇ミリ
シーベルトを超え、政府が避難を促す基準を超える値だ。「作っても食べられない」と判断し田植えをやめた。土ぼこりなどを吸って被ばくする懸念があったため、
ライ麦と小麦の収穫もせず、田畑はそのままにしていた。「除染さえできれば耕作するつもりだった。放棄したわけじゃない」。小野さんは農業委員会に通知を取り消すよう求めたが、受け入れられなかった。
農地法には、災害時などは
耕作放棄地扱いしないとの規定がある。
農林水産省の担当者は「農業委に判断は委ねられるが、一般論として
原発事故があった福島なら
放射線への懸念は災害にあたるだろう」と説明する。
しかし、市農業委は「高線量の
ホットスポット以外の地域は、
放射能への懸念があっても特別扱いはしていない」との見解。一方で、
伊達市では農地の除染方法を検討中としてまだ決めていない。
小野さんは「耕作すれば
放射性物質が混ざり、自然になくなるのを待つしかない。
セシウムは
半減期が三十年もあるのに、どうすればいいのか」と力なく語る。
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原発事故による耕作規制>
農林水産省は昨年、避難区域と土壌調査で1キログラム当たり5000ベクレルを超える地域の米の作付けを制限。
伊達市は対象外だが、避難区域に近い地域では米から国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える
セシウムが検出された。規制値は1キログラム当たり100ベクレルに引き下げられる見込みで、
農水省は今年も作付け制限を検討。除染方法は、表土を地中深くに埋めるなど
農水省がいくつか案を示しているが、最終的には
自治体が方法を決めることになっている。
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そうか。
放射能汚染された田んぼでも、農作物を作らないといけないって国は言っているのだ。
作らない者には、罰則。
そして、
放射能汚染した農作物を作り、販売し、誰かが被曝したとしても
罰則はなし。
原発が爆発するまで、爆発するなんてことは有り得ないから、その場合の対策など考える必要もない、と
子供のような思考できた国だけのことはある。