【風を読む】論説副委員長・高畑昭男 予想できた支持率急降下

久々にすっきりとした文章。

さすが、「風を読む」というさわやかさ。

民主党という極悪政党を現実に政権として戴いた貴重な経験。

決して無駄にはしない。

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【風を読む】論説副委員長・高畑昭男 予想できた支持率急降下
2010.5.18 07:25
 鳩山由紀夫内閣の支持率が20%を切った(時事通信)と伝えられたのは14日だった。

 各メディアの数字でみると、政権運営に関して「危険水域」とされる3割台を切ったのが4月だ。3月に4割を切り、50%台を割って支持・不支持が逆転し始めたのは2月だった。ここ数カ月間に、毎月10ポイントもの割合で急降下している。

 政権発足時(昨年9月)の7割と比べると、8カ月で50ポイントも失った政権は過去に例がなく、ワースト記録だそうだ。そのすさまじさには驚くが、普天間移設や政治とカネの問題などでの民主党と鳩山政権の迷走と不誠実な対応ぶりをみれば、当然としかいいようがない。

 首相と党幹事長の双発エンジンが停止して、まっしぐらに墜落していく飛行機のようだ。だが、鳩山氏らの政策や言動を冷静に観察すれば、こうなることは昨年の総選挙前にかなり予想できたはずだった。

 それなのに、「民主党にやらせてみたい」という甘い期待に踊った人々が多かった。それが日本の不幸の始まりだったのではないか。

 問題は政治の失速が与党だけでなく、国民全体の利益を日々道づれにしつつあることだ。外交・安全保障はもちろん、景気、財政、環境などの面でも日本が世界からどんどん取り残されていくように見える。

民主党に肩入れし、平衡感覚を欠くようにみえた一部メディアや学識者らも含めて、やっと現実を直視する必要に目覚めたのかもしれない。それでも民主党内、とくに若手の層から自浄、反省、是正の声が噴出してこないのは実に不思議だ。

 人ごとだと考えているのか、自分は執行部でないからとでも思っているのかはわからない。公約違反など身内の問題を正せずに、日本の政治を変えることができるのか。有権者もその点を見ていると思う。