民主党衆院議員に6年間で献金1億 出身のJR西労組側から

国交政務官に6年間で献金1億 出身のJR西労組側から
2010.4.25 01:49

 西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)OBの民主党衆院議員、三日月大造・国土交通政務官が、JR西労組側から6年間で1億円を超える献金を受けていたことが24日、産経新聞の調べで分かった。三日月氏は、民主党小沢一郎幹事長を支持する議員集団「一新会」のメンバーとしても知られる。資金面でJR西側に依存する三日月氏が、JRを所管する国交省の政務三役という重要ポストに名を連ねている事実に、識者からは「中立性に疑問があり、癒着を疑われても仕方がない」との批判の声も出ている。(調査報道班)

 政治資金収支報告書滋賀県の公報によると、三日月氏の関連政治団体「総合交通政策研究会」と資金管理団体「キラリ会」は、三日月氏が初当選した平成15~20年、政治団体「JRみかづき会」から総額1億550万円の寄付を受領。三日月氏が代表の「民主党滋賀県第3区総支部」も、みかづき会から15年、8万5千円の寄付を受けた。

 みかづき会は三日月氏の活動を支えるため、JR西労組側が組合員に賛同を呼びかけて発足。組合員の7割が会員で会費が主な収入源のため、三日月氏は初当選時からJR西労組側に資金面で依存していたことになる。三日月氏は夫妻で、JR西の株も保有する。

 研究会は20年7月、キラリ会に250万円寄付したと収支報告書に記載。だがキラリ会は100万円しか記載しておらず、別の関連政治団体三日月大造後援会」に、研究会からの150万円が記載されていた。

キラリ会とみかづき会、後援会、3区支部は所在地が同一。研究会は16年設立で、三日月氏議員宿舎など所在地を毎年転々とし、政治資金規正法の改正で、国会議員の関連政治団体を「関係政治団体」として届け出て、公にしなければならなくなった届け出期限の20年12月31日に解散した。

 研究会は、三日月氏側とJR西労組側の間にワンクッションを置くための団体だったとみられ、キラリ会の記載漏れは、団体間の寄付が実際は書面上だけの資金の動きだったことを裏付けるものともいえそうだ。

 山内和夫・東海大教授(政治学)の話「三日月国交政務官は所管企業の出身者であり、中立性に疑問がある。癒着を疑われても仕方がないだろう。当該企業の労組側から、1億円もの巨額の資金援助を受けているとなれば、なおさらだ」

 三日月事務所の話「JRみかづき会は、JR西労組の組合員やOBが個々人として会員になっており、労組から献金を受けている意識はない。献金による便宜供与も一切ない」