極寒の多摩川を必死に泳ぐ上村さんの姿に「おもしろくね?」と笑っていた

 「怒りよりも、耐えられない」と母親は嗚咽を漏らした。川崎市の河川敷で昨年2月、中学1年、上村(うえむら)遼太さん=当時(13)=を殺害したなどとして、殺人と傷害の罪に問われたリーダー格の少年(19)の公判では、上村さんの首を切りつけて真冬の川を泳がせる行為を繰り返した末、瀕死の状態で放置するという残酷な犯行状況が明らかになった。父親は「敵をとってやりたい」と憤るが、弁護側は「矯正は十分可能」と情状酌量を求めている。判決は10日、言い渡される。

 「遼太が亡くなったのは末っ子の誕生日です。この先、末っ子の誕生日がくる度、つらいです」。4日、検察側の席で意見陳述に立った母親は声を震わせ、目頭をハンカチで押さえた。
 裁判で示された写真で初めて、遺体の傷を見た。全身に刻まれた切り傷43カ所のうち31カ所は首に集中していた。「首、腕、足、体のいたるところにあるのをみて、怒りよりも『どれだけ遼太が辛かったか』『どれだけ苦しかったか』を思うと耐えられない。くだらない理由で何で…」。法廷に嗚咽が響いた。

「首に大きな血管がある」腰かがめ切りつける
 母親がいうように、その犯行動機はあまりに身勝手で、ささいなものだった。
 少年の被告人質問での供述などによると、事件1カ月前の昨年1月、上村さんが待ち合わせ場所に約1時間遅れたことに腹を立て4、5発殴りつけた。上村さんから暴行被害を聞き出した知人グループが少年の家に押しかけるなどの騒ぎになったことに怒った少年は2月19日、「焼きを入れる(制裁を加える)」として、元職人と無職の少年2人(18)=傷害致死罪で起訴=とともに上村さんを河川敷に連れ出した。
 上村さんは3、4回ほど謝ったが、少年は馬乗りになって殴りつけ、上村さんの頬、足、腕をカッターナイフで傷つける。そして、「首には大きな血管があり切ったら死ぬと思った」。上村さんに向かって腰をかがめて首にカッターナイフの刃をあて、自らの体にむかって引いて首に傷をつけた。上村さんは「うっ」とうめき、体を前屈させた。

上村さんを極寒の多摩川を泳がせた後、元職人ら2人とともに切りつけるという行為を繰り返す。法廷で「救急車を呼んでばれたら、(上村さんの知人グループに)倍返しでやられると思い怖かった」と振り返り、2人に自らの暴行を止めてほしいという気持ちがあったと主張する。

 だが、無職少年の供述調書からはリーダー格の少年の無慈悲な一面が浮かび上がる。裸で川にはいり、平泳ぎのような動きで必死に泳ぐ上村さんの姿に「おもしろくね?」と笑っていた。

泳ぎで疲れ果て、へたり込む上村さんを横目に元職人ら2人にカッターナイフを渡し、「やれよ」「反対側(の首)もやれ」と促し、上村さんが動かなくなるまで切りつけ行為を続けた。
 少年は法廷で、自身の指示により元職人が動かなくなった上村さんを蹴り転がし、体の下半身が川につかった状態で放置したと供述した。元職人が上村さんの顔に耳を近づけ「息をしている」と発言していたとされるが、少年は「怖くて離れることしか頭になかった」と逃走したという。


 上村さんは川べりから約20メートル離れたところで体をくの字にして死亡しているのが見つかっており、検察側は上村さんが息絶える前にはいつくばって移動した可能性があるとみる。瀕死の上村さんが生への執念を見せていたことになるが、そのころ、少年たちは証拠隠滅の意図で上村さんの衣服を近くの公園のトイレで燃やしていた。
「どんなに怖かったか、どんなに痛かったか」
 少年への求刑は不定期刑の上限の懲役10年以上15年以下。少年は法廷で「上村君のことを忘れないで背負っていく」と謝罪の気持ちを表現し、弁護側は「矯正も可能」「強い殺意はなく、他の2人の役割も大きい」などとして懲役5年以上10年以下の不定期刑が相当と主張した。
 だが遺族の怒りは収まらない。「遼太の命を奪い、これから遼太や私たちが得るはずの喜びを奪った。どんなに怖かったか、どんなに痛かったか、どんなに寒かったか。考えるだけで気が狂いそうです」

意見陳述に立った父親は涙でなかなか声が出ない様子だったが、深く息を吸いながら言葉をつなげた。
 「この法廷で犯人を初めてみたが、犯人は私を見ることがありませんでした」と指摘し、こう怒りをぶつけた。「自分のこの手で遼太の敵を取ってやりたい。遼太の命は犯人に背負えるほど小さいものではない」
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>法廷で「救急車を呼んでばれたら、(上村さんの知人グループに)倍返しでやられると思い怖かった」と振り返り、2人に自らの暴行を止めてほしいという気持ちがあったと主張する。

誰かに止めてもらいたかったんですね。
まるで、止めてくれなった誰かのせいみたいですね。
止めてもらえなかった自分は被害者のように。




>だが、無職少年の供述調書からはリーダー格の少年の無慈悲な一面が浮かび上がる。裸で川にはいり、平泳ぎのような動きで必死に泳ぐ上村さんの姿に「おもしろくね?」と笑っていた。



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生活苦に万引きした少年がいた時代の少年法
このような少年を守っている。

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これが「9条を守れ」
で思考停止した国のなれの果て。

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ご冥福をお祈り致します。
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