防災備蓄倉庫の修繕にすら金を使わせない県知事は?

2011年の民主党野田政権は、沖縄振興予算を1000億円積み増し3000億円に増額、内1600億円を沖縄県が自由に使い道を決める一括交付金にした。鳩山・菅政権が荒らした沖縄基地問題の原状回復、民主党の尻ぬぐいに莫大な血税が注ぎ込まれた。

巨額の予算は、普天間基地辺野古移設推進の対価である。周知の事実だ。当時の仲井真県知事は、「これで良い年末年始が過ごせる」と満面の笑顔で喜び埋立て承認を決定した。日本全土が震災の痛みに沈む中、沖縄だけは交付金バブルに沸いた。

辺野古を抱える名護市の予算も増えた。交付金前、2011年度に決算額で325億円だったのが、交付金直後の2012年度に335億円となり、2014年度には375億円にまで膨れあがった。それもこれも、普天間基地辺野古移設があってのことだ。

ところが、沖縄県及び名護市は辺野古地区を干した。翁長知事と稲嶺市長は「辺野古移設は実現不可能」と主張し、移設実現を前提とした予算措置を拒否した。多額の予算残を会計検査で指摘されるほど、交付金があり余っているにもかかわらずだ。

この不公正の是正に政府が動いた。辺野古地区に適切な支援を届けるため、国は沖縄県・名護市を通さず、辺野古地区に直接交付金を支出することにした。このことについて10月26日、菅官房長官らと辺野古の3区長が官邸で懇談会を開催した。

懇談会において、区長らは防災備蓄倉庫や地区会館の修繕、芝刈り機の購入、あずまやの整備などを要望したそうだ。本来、そんなものは基地とは関係無く支援されるべきものだろう。泣けるほど慎ましいお願いである。もっと大胆に要求してもいいのよ?。

許せないのは翁長と稲嶺である。辺野古のおかげで巨額の交付金をがめておきながら、辺野古移設に反対しない県民に対しては、防災備蓄倉庫の修繕にすら金を分け与えない理不尽・鬼畜っぷりだ。政府が直接支援に動くことも納得の惨状である。

政府の直接支援について、愚劣な稲嶺は「やり方が普通じゃない。地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」と激怒した。心の底から人間のクズ。どの口が言うかと。自分の怠慢を棚に上げ、政府支援を「介入」批判するなど笑止千万。

アメリカが沖縄を統治していた1960年代、ポール・キャラウェイは「本土より豊かな沖縄を目指す」と宣言し、潤沢な金融・医療支援を実施した。しかし、沖縄の権力者は私腹を肥やし、金融機関は身内で金を回し、医者は医薬品を本土に横流しした。

アメリカの善意が腐敗を招く沖縄に頭を抱えるキャラウェイに、沖縄の腐りきった権力者共は「もっと金をクレ!」「でも自治権は返せ!」と声をあげ続けた。そして、ついにぶち切れたキャラウェイは、「沖縄の自治など神話だ!」と吐き捨てた。

あれから50年。

沖縄の腐敗構造、権力者共の人間性は何も変わっていない。元に戻った、と言うべきか。現在の沖縄をキャラウェイが見れば、「やはり沖縄の自治なんて神話だ」と嘆くだろう。この不名誉な神話を崩壊させるのに、いったいあと何年かかるのだろうか。


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