<那覇空港>空自ヘリの交信届かず 離陸確認、混信か

那覇空港航空自衛隊ヘリが離陸滑走中の全日空機の前方を横切り、全日空機がとどまる滑走路に日本トランスオーシャン航空(JTA)機が着陸した二重トラブルで、空自ヘリから管制塔に離陸許可を確認する無線交信が届いていなかったことが、国土交通省への取材でわかった。空自ヘリは全日空機に対する離陸許可を自機への許可と誤認し、離陸を確認する無線交信をしたものの、混信して管制官に聞こえなかったとみられる。国の運輸安全委員会は交信の詳しい内容を調べている。

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 航空機の発着は、管制官が無線交信で待機や離陸、着陸許可などの指示を出し、パイロットは管制官の指示を無線で復唱して確認する。軍民共用の那覇空港の場合、自衛隊も民間機と同様に復唱する。

 国交省などによると、管制官は3日午後1時20分ごろ、空自ヘリに誘導路での待機を指示。この時は空自ヘリから管制官へ復唱が届いた。

 管制官は1時23分ごろ、新千歳行き全日空機に滑走路北端から離陸を許可。全日空機は復唱して離陸滑走を始めたが、空自ヘリが前方を横切って飛行したため離陸を中止した。関係者によると、空自ヘリからは離陸許可を確認する復唱があったが、全日空機からの復唱と重なって混信し、管制官には聞こえなかったとみられる国交省航空局担当者は「ヘリから復唱が届いていれば止めている」と話す。

 管制官は発着許可などの際、コールサインを使って航空機に呼びかける。全日空機のサインは「オールニッポン1694」、空自ヘリのサインは「ポニー41」。空自によると、ヘリの機長は約1850時間、副操縦士は約1700時間の飛行経験があるが、全日空機への離陸を許可するコールサインを自機へのサインと聞き間違えたという。

 その後も混乱が続いた。全日空機が滑走路中間を越えた付近の地点に止まったため、管制官は1時24分ごろ、着陸態勢だった新石垣発JTA機に着陸やり直しを指示したが、JTA機は着陸して滑走路中間より手前に止まった。JTAは「滑走路前方に全日空機がいるのは認識した上で着陸しても支障はないと判断した」と主張。ただ、両機の距離は約400~500メートルとみられ、追突の可能性もあった。

 JTAは「指示の時点ですでに着陸し、停止のための逆噴射も作動していた」と説明しているが、管制官は「指示は着陸の前だった」と説明しているといい、両者の主張は食い違っている。今回の二重トラブルについて、航空局の担当者は「現時点では管制官の判断ミスはないと考えているが、安全委の調査を待ちたい」と話している。

 一方、運輸安全委員会の航空事故調査官3人は4日、那覇空港での現地調査を終えた。着陸を指示したタイミングについて管制官とJTAの説明が食い違っていることについて、吉田真治主管調査官は「いつ管制指示が発せられたのか、データと照合しながら検証したい」と話した。【松本惇、町田徳丈、川上珠実】

 ◇「徹底的究明を」統合幕僚長

 那覇空港での二重トラブルで、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は4日の記者会見で「大変遺憾に思っているし、一歩間違えば大事故につながっていた。徹底的に原因究明をしなくてはならない」と述べた。【町田徳丈】

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何が起きてもおかしくない。

二重トラブルで、よく耐えたものだ。

みんな、気をつけていきましょう!