民主党支持母体「日本労働組合総連合会(連合)」のアンポンタン

民主は地団駄? 安倍首相「賃上げ要請」の真意 
2013.02.19
 安倍晋三首相が経済3団体の代表に会い、賃上げを要請したことが話題となった。「業績が改善している企業は、報酬の引き上げをぜひ検討してほしい」という言い方であり、内容は穏当で、しかも強制力がない口頭によるお願いである。

 要請を受けたのは経済3団体であるので、個別企業や産業に強制する立場ではない。経団連米倉弘昌会長は、業績が改善している企業はまずボーナスの引き上げで対応し、本格的な景気の回復と持続的な収益の伸びが見込まれた場合は、賃金を引き上げる企業も出てくるという、差し障りのない見通しを伝えたようだ。

 いってみれば、政府と経済界のやりとりは、自由な労使関係を前提とする資本主義社会であれば当然であるが、強制力が伴わず緩い形でのアベノミクスに対する協調ムード作りという政治的なメッセージである。

 さぞかし民主党は悔しいだろう。本コラムで紹介したように、アベノミクスの中心となっている金融政策は本来、雇用政策であるので、欧州では社民党共産党などの左派政党が言い出すものだ。

 ところが、日本では、民主党が政権を取って雇用重視を主張しながら、金融政策を活用できずに円高・デフレを招き、雇用の確保ができなかった。そこを安倍自民党総裁に見透かされた。安倍氏民主党の先手を打つ形でインフレ目標を言いだし、政権交代を行ってしまった。

 衆院選期間中も選挙後も、民主党はまだ金融政策の重要性が理解できず、インフレ目標に反対する姿勢だ。そうこうしているうちに、安倍首相が経済界に要請を行うに至って、民主党の支持母体の「連合」は複雑な気持ちだろう。
 
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日本労働組合連合会が、賃上げしてくれるだろうと一生懸命応援した「民主党政権」が終了して
 
やっと、応援しなかった「自民党政権」によって賃上げしてもらる・・なんてアンポンタン。