TPP ~日本はすでに開かれている
世界の貿易量の80%以上を占め、GDPで見ると世界の90%を占めるといわれるG20参加国の中ではどうなのだろうか。以下に抜き出して多い順に並べてみた。
G20参加国の単純平均・農産品 MFN関税率
単位:%
BRA=ブラジル、IND=インド、ARG=アルゼンチン、KOR=韓国、MEX=メキシコ、RUS=ロシア、TUR=トルコ、CHN=中国、RSA=南アフリカ、INA=インドネシア、EU=European Union、JPN=日本、KSA=サウジアラビア、CAN=カナダ、USA=アメリカ、AUS=オーストラリア
ドイツ・イギリス・フランス・イタリアはEUとして列記。
〔資料〕”World Tariff Profiles 2010“(WTO、UNCTAD、ITC)
上記G20の中では日本の平均関税率は「低い方」。農産品は「やや高め」と言っていいだろうか。
ドイツ・イギリス・フランス・イタリアはEUとして列記。
〔資料〕”World Tariff Profiles 2010“(WTO、UNCTAD、ITC)
もっとも、日本の農産品の関税率が「やや高い」のはコメなどの高関税品目が平均値をつりあげており、その他の品目を見ればすでに相当自由化されているともいわれるので併せて確かめてみる(98ページ目が日本の詳細なデータ)。このうちの2番目の表の「Agricultural products – MFN applied 2009 」を以下に抜き出してみた。
日本の農産品における関税率の分布
0(関税なし) | 0-5 | 5-10 | 10-15 | 15-25 | 25-50 | 50-100 | 100%以上 |
35.1 | 17.5 | 16.2 | 8.1 | 10.3 | 6.3 | 1.2 | 4.5 |
〔資料〕”World Tariff Profiles 2010“(WTO、UNCTAD、ITC)
日本は非関税項目が35.1%あり、0-50%の関税率が設定されている品目が58.4%ある。関税率が50%以上に設定されている品目の割合はたったの5%強に過ぎない。これもG20の他の国と比較してみたい。
G20参加国の農産品関税の分布
単位:%
BRA=ブラジル、IND=インド、ARG=アルゼンチン、KOR=韓国、MEX=メキシコ、RUS=ロシア、TUR=トルコ、CHN=中国、RSA=南アフリカ、INA=インドネシア、EU=European Union、JPN=日本、KSA=サウジアラビア、CAN=カナダ、USA=アメリカ、AUS=オーストラリア
ドイツ・イギリス・フランス・イタリアはEUとして列記。
〔資料〕”World Tariff Profiles 2010“(WTO、UNCTAD、ITC)
水色の帯が関税ゼロの非課税品目。帯が赤ければ赤いほど高関税の品目が多いことになる。
ドイツ・イギリス・フランス・イタリアはEUとして列記。
〔資料〕”World Tariff Profiles 2010“(WTO、UNCTAD、ITC)
日本の関税がゼロの割合が非常に大きいのにまず驚く。この中ではオーストラリア、カナダ、ブラジルに次いで4番目に多い。アメリカよりも多いことも意外だった。これだけ自由化されているにも関わらず5位になってしまうのは、やはり最大関税率に原因がありそうだ。韓国に次いで2番目に多い最大関税率が平均値を引きあげてしまっているのがよくわかる。
上の表で641%となっている最大関税率は、世界の中で日本だけが法外な数値を設定しているかと思うとそうでもなく、韓国やカナダ、アメリカでさえも一部の作物には高関税を設定していることが分かった。ちなみに1000%を超える関税率を設定している国も少なくなく、マレーシア、ノルウェイ、スイスなどがある。
これらのことから、日本の一部の農産品に高関税が設定されて保護されている一方、すでに相当に開かれていることが分かる。日本は胸を張ってすでに開かれていると言っていいのではないだろうか。
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それなのに、なぜTPPなのか?
テレビでは必死で、開国せよと言っている。
橋下さんもそうだ。
高い関税は、農業のみ。
結局は、農業の関税撤廃=TPPじゃないのか。
自給率を下げること。
国益に反します。
これぞ、民主党の一丁目一番。
国益に反します。
これも、民主党の一丁目一番。
もちろん、マスゴミにとっても同じく。