オバマ大統領の公認が欲しい野田総理がしたこと

ポッポちゃんが出馬を断念したことが驚きをもって受け止められています。

 「おふくろさんよ~、おふくろさん。空を見上げりゃ‥」と歌って、数日前までやる気があると思っていたのに。

 いずれにしても、毎日毎日選挙に関することばかりテレビは報じているのですが、そうした状況にあって俄然関心を集めているのがTPP。

 私、はっきり言って、少し前まで何故TPPが選挙の争点になるの腑に落ちませんでした

 何故かと言えば、TPPに関しては経団連を中心とする財界関係者と、農業関係者の意見が正反対であり、とても妥協が成立する状況にはないからです。プラス、政治家態度にしても、同じ党内でもいろんな意見があり‥全然まとまる気配はな、と。

 多くの国民、イマイチ態度が決められない、と。

 韓国などとの関係で輸出競争上不利になるからTPPを推進しなければいけないと言われれば、それはそうだと思いつつも、その一方で、日本の農業が壊滅してもいいのかと言われれば、それは許せない、と。

 それに、仮にTPPに賛成するか反対するかを決めたとしても、では、それによって自動的に支持政党が決まるのか、と。つまり、多くの人にとって、TPPはそれほど重要ことではないのです。

 しかし、野田総理は敢てTPPを選挙の争点として打ち出した。

 ということは、TPPに賛成するならば、民主党を支持して欲しいと言いたいのでしょう。

 では、自民党の態度はどうなのでしょう?

 曖昧なんですよね。多分、安倍総裁TPPに積極的ではない。だって、「聖域なき関税撤廃ならTPP参加はありえない」と言っているからです。

 交渉に参加しないと明言している訳ではないが、例外を認めないようでは交渉に参加できない、と。

 つまり、野田民主はTPP交渉に参加したいと言い、その一方で、安倍自民は、どうしようかな、と。
 
 で、ここで話はポッポちゃんに戻るのです何故彼は出馬を断念したのか?

 そ、れ、は‥ポッポちゃんは、増税にもTPPにも反対しているからなのです。どんなに民主党から
立候補したくても、野田総理が推進しようとする増税とTPPに反対する候補者は公認されない、と。

 じゃあ、何故そこまでしてポッポちゃんはTPPに反対なのか?

 それは、ポッポちゃんの選挙区がどこにあるか関係しているのです。

 そうなのです、ポッポちゃんの選挙区は北海道9区。そして北海道と言えば、農業など一次産業の
ウェイトが高いのが特徴です。

 その北海道をバックとして、どうしてTPPに賛成などと容易く言うことができるでしょう?

 もし、それでもなおTPPに賛成と言うことができる人は、日本の農業再生に関してとてつもないプランを有していることでしょう。日本へ入ってくる農産物の関税をゼロにしたって、日本の農業は生き残ることができると断言できなければ、そんな態度は取れないのです。

 しかし、ポッポちゃんにはそのようなアイデアはなし。だら、TPPに反対して、北海道の農業を守り抜くとしか言いようがない。

 つまり、TPPに賛成するなんて言ったら‥そうでなくても当選の可能性が低いのに‥落ちるに決まっているではないか、と。だから、どうしてもTPPに賛成する訳にはいかず、さればとて民主党の公認を得なければ、これまた落ちるに決まっていると判断したから、こうして出馬を断念したのでしょう

 では、何故野田総理は、TPPを推進しようとするのか?

 それは、野田さんの選挙区千葉だから。

 もちろん千葉にも農家は多いですが、昼間は首都圏に通うサラリーマンも多いのです。つまり、農業関係者は僅かであり、多分自分の当落には影響はない、と。

 それに、野田総理としては、TPPを前面に打ち出すことが得であるという計算ができているのです。

 しかし、多くの方は、ここで疑問が浮かびます

 そもそも選挙をやったら民主党は大敗すると読んでいたのではないのか、と。だからこそ、解散を
先延ばししてきたのではないのか、と。その野田民主党がTPPなんて言いだしたら、益々支持率が落ちるのではないか、と。

 でも、野田氏には、野田氏としての計算があるのです。確かに政権を維持することは難しい。しかし、少しでも傷を軽くする方法がある。

 確かにTPPは、経団連を中心に日本の経済界が強力に推進しようとしており、その意味では経済界には受けがいい。しかし、そもそも経団連は、本気で民主党を支持するつもりなどない。

 では、何故?

 実は、経団連よりももっと大きな力を持った存在があるのです。それは、ズバリ、オバマ政権下のアメリカ。

 オバマ大統領の経済回復策の目玉は、輸出の振興によって経済を活性化させ、雇用を創出することのです。そのためには、ドル安を利用することのほか、TPPを推進することが有力な手段になると考えているのでしょう。或いは、具体的な数値として効果が表れないとしても、例えば、牛肉の日本への輸出を増加させることで、オバマ大統領は点数を稼ぐことができるのです。或いは、遺伝子組み換え作物をこれまで以上に日本に売り込むことができれば、これまた大きな得点になる、と。

 つまり、野田総理オバマ大統領に、日本がTPPの参加に積極的になっている姿を見せれば、それだけで恩を売ったことになるのです。

 そして、恩を売ることができれば、当然見返りもある、と。つまり、比喩的に言えば、オバマ政権の公認を得ることができるのです。

 一方、安倍政権はどうかと言えば、どうもTPPに対しては消極的であり‥そして、安倍さん独自の憲法を持とうと言うような考え方が、米国にとっては少し気になってしまうのです。

 日本が日米同盟を重視し、軍備の増強に向かうのは歓迎できるが、しかし、アメリカのコントロールが効かない軍隊になっては困るのです。その点、安倍総裁にはリスクがある、と。

 その一方野田総理は、確かにアメリカに盾を突いたポッポちゃんの2代後の民主党の総理ではあるが、アメリカの意向に逆らうようなことは何も言わない、と。

 つまり、野田総理は、安倍総裁よりも自分のことを気に入ってもらおうとしてオバマ大統領にせっせとゴマをすっているのです。だからTPPなのです。

 私、野田総理がTPPを争点にしたいと言うのなら、それならそれでどんな分野で特に影響を受けると予想されるの例えば牛肉とかコメとか、コンニャクとか、はっきりと品目を挙げて説明をすべきと思うのです。

 そんなことは交渉次第だなんていう言い訳は通りません。だって、現実に生活が成り立たなくなる
人々がいる訳ですからどの程度まで日本として譲歩するつもりなのか、少なくても農業関係者にだけは内々考えを伝える必要があると思うのです

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野田さんは、アメリカ国民のための総理大臣だったことが証明されました。
 
選挙では、日本国民のための国会議員を選びたい。
 
もちろん、アメリカ国民のための野田議員再選など有り得ない。