AP通信が特報(APインパクト)で日本政府の「SPEEDI放射能予報」の“不拡散”問題を追及・解明 世界の有力各紙が掲載

あの東大教授の涙の辞任会見を見た時、異様な感じがした。
 
論調としては、泣くほどのこととは・・??????で終わった感じで
逆に、大した理由も分からないまま、職務放棄みたいな事も言われていた。
 
日本のマスコミでは。
 
やはり海外のジャーナリズムに頼るしかない?
自前のジャーナリズムなんて消滅しているのだから。
 
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ナミエ(浪江)発、マリ・ヤマグチ記者の特報によると、文科省が所管する「SPEEDI」は1986年、110億円を投じて構築された、コンピューターによる放射能拡散予報システム。
 原発からの放射性物質の放出量が分かっている場合は、そのデータを入力、汚染予測マップをつくるが、放出量が分からない時でも、とりあえず「1ベクレル」を入力、気象条件や現地の地形を勘案し、どのような方向に拡散するか予測マップをつくることができる。
 放射性物質の放出量がその後、分かったときは、「1ベクレル」で作成した拡散予測マップをもとに、判明したデータを入れて、どの程度の汚染濃度になる予測する。
 「フクシマ」の事故の場合は、当初、放出量が分からなかった後者のケース。
 AP特報によると、「SPEEDI」は事故発生後、最初の24時間以内に、なんと18もの放射能拡散マップを吐き出していた。
 たとえば。3月12日午前3時53分作成の「SPEEDI」予報マップは、放射能雲が浪江町を通過、ほかの市町村に流れて行くことを予測していた。
 では、これらの「SPEEDI」が作成した放射能拡散予報図は、どうなったか?
 AP通信によると、「予報図」は経産省原子力安全・保安院に送られたが、避難を決定する当局者の下には届かなかった。
 このため、中央政府首相官邸)は「SPEEDI」の予報をもとに避難区域を設定する代わりに、3キロ、10キロの同心円の避難圏を設定、拡大しただけだった。
 浪江町馬場町長は12日午後、政府の「10キロ避難」の呼びかけを、なんとテレビで知った。
 そこで町当局は10キロ圏のすぐ外に位置する、同町苅野地区の苅野小学校を一時避難所のひとつとして住民を避難させた。
 事故現場でベント作業の準備が進む中、浪江町民が避難した苅野小学校に対し、「放射能雲」が「直撃」することを、その時、「SPEEDI」は正確に予測していた。
 苅野小学校の校庭には、子どもたや親、教師ら約400人が集合した。原発事故が最悪の時を迎える場面でのことだった。避難住民は屋外の大気の中で、おにぎりを食べた。
 馬場町長が苅野でも危険だと認識したのは、それから24時間以上、経ったあとのことだった、バスを仕立てて、さらに遠くへ避難させた。同町津島地区へ。
 その津島地区もまた、「放射能雲」の通り道だった。
 浪江の避難民は「SPEEDI」の予報をまったく知らなかった。知らずに予報通りのルートを脱出、被曝した。苅野小のアラカワ校長は言った。「最も危険なルートだった。誰もそれを知らなかった」…………
 APの特報はまた、「涙で抗議の辞任」を行なった小佐古・東大教授が4月下旬、菅直人首相あてに出していた秘密報告書(のコピー)を入手し、内容を報じた。
 小佐古教授はこう書いていた。
 「SPEEDI被曝予報は正しく役立てられず、住民が必要以上のさらなる被曝にさらされる状況を招きました」
 (ニューヨーク・タイムズも報じたように)小佐古教授の辞任には「SPEEDI」が“揉み消された”ことへの抗議の意味も込められていた。
 AP特報によると、地元選出の参議院議員森ゆうこ氏が日本政府を相手どり、裁判を起こすことも考えている。
 浪江の馬場町長やアラカワ校長らは、とくに苅野の子どもたちのホールボディーカウンターによる内部被曝調査を求めているが、福島の当局者は計画を立ててもいない。
 (大沼)  ニューヨーク・タイムズに続き、APが調査報道をしたことで、「SPEEDI揉み消し被曝」問題は、全世界に知られることになった。
 国内の御用マスコミにさるぐつわをかませることはできても、海外のジャーナリズムの口を封じることはできない。
 この問題に責任のある者どもは、最近スピーディーのスの字も聞かないので、これは頬かむりできそうだと思っていたかも知れないが、そうは行かない。
 AP通信はとくに、「SPEEDI」の予報図が保安院に送られ、その先の官邸に届いていなかったことを明らかにしている。
 住民に無用な被曝をさせた責任者を処罰しなければならない。