【主張】普天間問題 国益が日々失われていく

>首相は「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒涜(ぼうとく)と感じる」などと述べ、現行案を明確に否定した。

いやいや、現行案を否定しているのじゃなくて、「埋め立て」を否定しただけでしょう。

しかも、「冒涜」などと、政治家の言葉とは思えないような表現で。

「埋め立て」を「くい打ち」にすれば、辺野古の海を守った。自然を救った。

・・と、胸を張るのか・・

---------------------------------------------------------------------------------------

【主張】普天間問題 国益が日々失われていく
2010.4.27 02:52

このニュースのトピックス:主張
 国政の最高責任者が指導力を欠き、国民の信頼を失っているとしかいえない。

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題など重要政策をめぐる鳩山由紀夫政権の混迷は、鳩山首相が重責を担える状態にないことを示している。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査鳩山内閣の支持率は22・2%に下落したが、驚くべきは首相の指導力への評価だ。「評価しない」との回答が90%に達し、「評価する」は5・6%だった。「首相の言動」についても「評価しない」が8割を超えた。

 日米関係への悪影響を懸念し、移設問題の5月末決着を困難視する回答も7~9割に上る。首相の下で国益が日々失われ続けているとの強い危機感を、国民が抱き始めたことを示すものだ。首相は政権をかけて危機回避の政治決断を下すしかないのに、事態を悪化させているのは信じ難いことだ。

 米ワシントン・ポスト紙が日米合意に基づきキャンプ・シュワブ(名護市辺野古)沿岸部に移設する現行案の一部修正を「日本側が検討している」と伝えたことに関連して、首相は「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒涜(ぼうとく)と感じる」などと述べ、現行案を明確に否定した。「自然の冒涜」とは国政の最高指導者の発言としてきわめて不適切である。

 米側は「現行案が最善」との立場を変えていない。首相に成算のある打開策があるならともかく、現実的な現行案や一部修正まで否定してどうなる。県外移設という沖縄県民向けのメッセージを強調するためなら、指導力のはき違えであり、選択肢を狭めて決着を難しくしただけではないか。

 沖縄や鹿児島県徳之島で大規模反対集会が開かれ、関係自治体や住民との関係が悪化したのも、首相の決断の遅れが原因だ。

 岡田克也外相や北沢俊美防衛相は、県外への分散移転案の難しさや対米協議の厳しさを理解しているはずだ。職を賭して現行案などへの回帰を首相に促すべきだ。現状では、27日に来日するキャンベル米国務次官補との協議でも、進展は望めまい。

 首相に対する厳しい評価は、高速道路料金値上げの是非をめぐる混乱など内政にもみられる。政権全体が機能不全に陥っている。

 鳩山首相に残された時間はもうほとんどない。