人民元切り上げの問題

中国は経済発展している。

でも、なんだか胡散臭い。

記事を読んで納得・・。

>「粉飾決算」=偽りの決算が、平気で罷り通る社会であります。

信用が成り立たない国が経済大国だなんて・・!

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そもそも、中国の統計には信頼に値する要素は無い、という疑問を常に国際社会から呈されていました。
 中国当局の発表する統計を分析していくと様々な矛盾が次々に露呈してくるのです。
 共産党一党独裁国家の社会主義国家にあって、各部署の成果主義を基にした当局の統率管理を行なっている以上、実情を無視して成果を誇大化して立身出世を図る者が纏まりのつかない一方的な数字を上げて来るのを何とも思わない社会です。
 日本や先進国家では法令違反である上場企業などが投融資を得るための、いわゆる「粉飾決算」=偽りの決算が、平気で罷り通る社会であります。
 所詮、嘘は常に矛盾と裏腹にありますから、いずれ必ず行き詰まり、隠しおおせない化けの皮が剥がれた実体を晒す事になります。
 中共の場合は、人民元切り上げ問題であります。
 今までは、本当の実態を隠して、世界からの投資を呼び込むことにより、他人資本による経済成長を実現して来ました。
 企業でいえば、株式公開企業と同族企業の違いがあります。
 国債をほとんどすべてと言って良いほどの割合を自国民が消化している日本は、他人資本に頼らない自己資本で国家経済を賄っている国であります。
 対して、元々自己資本も資本の蓄積の素となる技術力もない中国は畢竟、外部からの他人資本に頼らざるを得ません。
 そのために、常に自分を実態以上(巨大な内需市場という幻想も含めて)に大きく見せる事によって、外資の導入を図ってきました。しかし、ある程度の経済レベルに達して来た段階で、その経済レベルに見合った義務を求められるようになってきました。
 これを簡単に説明すると、弱小零細企業だったのを投融資と技術の移転により、押しも押されぬ大企業にまで成長したのだから、そろそろ、投資家に還元しなさいということなのです。
 ところが、与えられることは身についていても、与える概念が全く無い企業は面食らってしまいます。それは資本主義社会の原理を何一つ理解していないからなのです。
 つまり、資本主義社会は法に基づいたきちんとしたルールがあるということを無視してきた結果があったからです。
 そのルールが、今回の人民元切り上げ問題なのです。
 さあ、中共政府は困りました。為替レートを低く抑えることにより、人口の大半を占める低下層の人民を安いコストで奴隷のように働かせることで経済成長を促進して来たのであり、それが中国経済の生命線でもあったのです。
 それが、人民元切り上げという問題を、他ならぬ経済的成果物(生産品)の圧倒的最大手の顧客であるアメリカから突きつけられたのですから、武器を使わない戦争が勃発したようなものです。
 中共政府は苦肉の策として、今までの粉飾経済を素直に認め、少しでも実態に近いデータを公表して、人民元切り上げを阻止しようと抵抗します。
 しかし、粉飾経済を修正して実態経済を正直に晒す事により、今まで、粉飾経済を信じて投融資をしてきた海外資本の信を失うリスクが同時に生じて来るのです。
 
 これが中国経済のまごうかたなき実態であり問題点であると思います。
 要は砂上の楼閣であるということです。
 張子の虎と以前に中国は世界中から揶揄され列強の餌食になりましたが、100年以上前の張子の虎は今でも健在であったということです。
 その実態は張子の虎のままであるにもかかわらず、情報統制で実態を隠蔽しながら偽りの実態経済成長を装って来た共産党独裁国家の虚飾に満ちた国家運営により、巧みに誤魔化されて来たという事でしょう。
 投融資を得るための粉飾がいつまでも持続できるわけがないのは、資本主義社会の常識であります。
 矛盾は必ず破綻します。かといって、人民元を切り上げたら確実に中国経済は崩壊します。それは、現在の中国経済を支えているものは、人民元を極端に低く抑えるという為替操作だからです。経済の基本である、ルールや技術開発、生産性などの革新を基にした向上ではないからなのです。
 
 アメリカから突きつけられた人民元切り上げの問題は、中共政府にとっては核ミサイル以上の大打撃でしょう。
 大中国という幻想が打ち砕かれるのは、130年前にも世界は経験している筈です。
 歴史は繰り返すのです。