ドイツメディアが「難民による凶悪犯罪」を報じるようになった理由

衝撃的な事件

しばらく前から、ドイツのあちこちの公営プールで、暴力行為がはびこっているというニュースが報じられていた。とくにデュッセルドルフ市のあるプールでは、若い男性グループ(約60名)による狼藉が、7月だけでで3度も起こり、相当数の警官が出動して、プールを一時閉鎖するという事態に至った。せっかくの夏休み、子供たちにはいい迷惑だ。
警官は、その際、ペッパースプレー(催涙スプレー)まで使用したというから、ただ事ではない。暴れたのは、北アフリカ風の男たち(難民、および難民申請者を意味する)らしいが、結局、警察は3度とも、誰をも拘束しなかった。
〔PHOTO〕gettyimages
ドイツの屋外プールは、周りに広々とした芝生が広がり、本当に気持ちが良い。私も子供たちが小さかった頃は、午前中から木陰に陣取って、子供たちを遊ばせつつ、日がな一日、本を読んで過ごした思い出がある。
子供たちは、泳いだり、砂場で遊んだり、お腹が空くと戻ってきて何かつまんでは、また、飛び出していく。そうして、爽やかな夏の一日がゆっくりと過ぎた。今、思い出しても、楽しい気分が蘇るが、あの平安が乱され、警官が出動するなどとは、あまりにも残念だ。
案の定、デュッセルドルフ市長は怒り、今後はこのような狼藉には厳格に対処すると発表。暴れたのが、難民申請中の人物、あるいは、難民として認められず、本来なら出国しなければならない人物であるなら、難民局との連携も考えると言っている。いずれにしても、このプールでは、今後、入場するのに身分証明を見せなければならなくなった。
7月29日には、さらに衝撃的な事件が起きた。夏休みで混雑するフランクフルト中央駅で、40歳の男が、進入してきた特急列車の前に、ホームで立っていた8歳の男の子と、その母親を突き落としたのだ。母親はギリギリで線路と線路のあいだに逃れたが、男の子は逃げ切れず、母親の目の前で轢かれて即死した。
〔PHOTO〕gettyimages
犯人を乗客が追って捕まえたら、エリトリアからの難民だった。しかも、スイスで妻を監禁、暴行した疑いで、手配中だったという(スイスの警察は、外国に逃走するとは思わず、国際手配に切り替えていなかった)。
スイスはEUには入っていないが、互いに国境審査を省略するシェンゲン協定の加盟国であるから、ドイツに入るのは、電車でも車でも、東京から長野に行くのと変わりない。犯罪者も、テロリストも、危険人物も、外国人も、誰でもシェンゲン圏では自由に動き回れる(難民申請中の人だけはダメ)。

偽りの身分証明書

その2日後の7月31日、今度はシュトゥットガルトの公道で、36歳のドイツ人が、中南米の現地人が使う山刀(マチェーテ)で刺し殺されるという事件が起きた。
容疑者は、2015年、ドイツに89万人余り入った難民のうちの一人で、28歳のシリア人。すでにドイツの滞在許可を持っていた。最近まで、殺害されたドイツ人とは家主と店子の関係だったが、何らかの原因で喧嘩になり、引越ししたばかりだったという。
しかし、警察によれば、容疑者の国籍や年齢が身分証明書に記してある通りであるかどうかはわからないという。
2015年、16年当時、ドイツ国境は大混乱しており、パスポートを所持していない人間に関しては、本人の申告したデータをそのまま使った。そこで、どさくさに紛れてやってきた北アフリカバルカン半島からの経済難民の一部が、シリア人、アフガニスタン人、イラク人に化けた。この3国の出身なら、難民として認められる確率が非常に高かったからだ。
また、未成年もチャンスが高い。しかも、未成年者が難民として認められたら、さらに親や兄弟を呼び寄せる権利までが発生する。そのため、多くの難民が、申請の際に15歳から18歳を名乗った。だから、ここ数年、難民の起こした婦女暴行や殺人事件の犯人を捕まえてみると、どうも実際には、身分証明書に書いてある年齢より、かなり上であると思われるケースが少なくない。
つまり、ドイツには偽のステータスを騙る難民が結構たくさんいるらしいのである。
〔PHOTO〕gettyimages
それにしても、どこの国の誰だかわからない人間を、目をつぶって大量に入国させるなど、本来なら法治国家としてありえない。ドイツというのは、駐車違反や、公営放送の視聴料金の滞納などは、執拗に何年でも追跡するお国柄だが、安全保障にも関わる国境の管理ができていない。
そんなわけで、今回の容疑者も、本当にシリア人であるかどうかは、かなり疑わしいという。

難民がドイツに持ってきたもの

さて、ここ数年、犯罪が起こり、容疑者が難民だったとわかった場合、その報道の仕方が、必ずと言って良いほど争点となる。
もともとドイツでは、殺人事件であっても、よほど特殊なものでない限り、メインニュースでは取り上げない。彼らの全国ニュース選択のスタンスは、あくまでも、「全国民に関連する事件や社会問題のみ」というものだ。殺人事件は地方メディアに任せる。
そのうえ、報道陣の間では、容疑者の国籍は、必要がない限りは言わないという取り決めがあるため、結果的に、難民の起こした犯罪など、これまであまり主要メディアでは報道されなかった。
ところが昨今、国民が治安に不安を感じ始めた。その不安は、政府がいくら、治安は悪化していないという統計を持ち出そうが、メディアがいくら、一部の難民の犯罪を難民全体の排斥に結びつけることは正しくないと声を張り上げようが、薄れることはない。そこで、難民の犯罪は国家にとっての重要なニュースであり、ちゃんと報道するべきだと考える人が増えてきた。
今回について言うなら、フランクフルトの子供突落し事件は、あまりに衝撃的だったからだろう、第一テレビも第2テレビも報道したが、山刀殺人事件は報道されなかった。しかし、報道されなかったことに対する批判があまりにも高まり、国営ラジオが、オンラインページでわざわざ、自社の方針を正当化する記事を掲載するという事態にまで至ったほどだった。
2015年9月、メルケル首相は「我々はできる!」と国民を鼓舞し、難民を、この一年だけで89万人(公称)入国させ、当時、EU議会の議長であったシュルツ氏(社民党)は、「この人たちが我々の国に持ってきてくれるものは、金(ゴールド)よりも値打ちがある」と言った。彼らは、公式には今もその主張を変えていない。
しかし、当時、これらの政治家とともに、難民の到着を大歓迎した国民の気持ちは、とっくの昔に揺らいでいる。難民が持ってきてくれた金より値打ちのあるものは、いったい何だったのか?
〔PHOTO〕gettyimages
それよりも、できれば平和なプールを取り戻したいというのが、国民の思いだ。

犯罪を犯した外国人の権利

ドイツには現在、難民申請が認められなかった人が24万人いるのだが、そのうち18.4万人が滞在を黙認されている。黙認の理由は様々だが、一番多いのは、届け出ていた出身地が虚偽だったり、犯罪歴があったりで、母国が受け入れを拒否するケースだ。
そのほか、すでにドイツにしっかり溶け込んで通学している子供や、就業者も、送還を免除される。病気の治療や、妊娠中の人もしかり。早い話、一度ドイツに入れば永久に居られるといっても、それほど間違いではない。
アメリカでは、トランプ大統領が反移民的言動をしたために、図に乗った人種差別者が外国人を狙ったテロを行ったと言われているが、ドイツではその反対で、犯罪を犯した外国人の権利が保護されすぎているとして、一部の国民の中で反発が生まれている。
2015年、怒涛のごとく流れ込む難民を見ながら、緑の党の代表ギョーリング-エッカート氏は言った。
「我が国は変わる。それも急激に。私はそれが楽しみでたまらない!」
しかし、この難民たちがすっかりドイツに溶け込むまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。そして、莫大な税金と根気も。

--------------------------------------------------

これを現代ビジネスが、記事にしてる・・・

びっくり。

-------------------------------------

分からないけど、
水面下で、知らないことが起きているんだろうなぁ・・

-------------------------------------

そう考えると、
分からないけど、知らないけど・・
守られていることってあるんだろうなと思う。

-----------------------------------------

生かされていることに感謝

----------------------------------------